私は洗礼を受けてから来年で60年になります。洗礼を受けて間もなく、私は進化した人間なのか、聖書が教えているように、全知全能のお方に創造された者なのかを決めないと、自分の人生を正しく生きられない、と考えさせられました。
それには私が、陸軍の士官学校という(当時のエリートコース)を歩き始めて間もなく、日本が戦争に敗れて、何もかもが真っ暗になってしまった脱力感にみまわれたことがあったからです。エリートの栄光は一晩にして、戦争犯罪人の仲間にされて、ずいぶん長い間、警察官の監視下におかれたのです。国家がすすめたから正しいと思っていたら、その同じことが犯罪扱いされたことに私は絶望的になりました。
聖書に出会う
そんな時、賀川豊彦先生の全国遊説に出会ったのです。賀川先生は、「神が人間を造られたのだ」と言いました。その一言にカチンときて、講演が終わると抗議に行きました。「先生、こんな話をして、全国を廻るのですか。神が人を造ったと言われましたが、私の父は神主で、父が神を作っていた。戦に負けたじゃないですか。あんなものが神じゃない!」と。すると先生は、「君不服かね。今晩、別のところで話すから聞きに来なさい」と。その後、数回先生の話を聞いては抗議し、最後は、先生の家にまで行って反対したのです。でもこれがきっかけで、聖書を読むようになり、洗礼に導かれたのです。
神学校で学ぶ
人間が創造されたと聖書は書いているが、聖書は本当は何と教えているのだろう…と調べたくなって、神学校へ行きました。(神学校は牧師を育てる学校だとは知りませんでしたので、とまどいましたが…)いろいろ調べて、創造を確認しました。7kgやせましたが、この7kgは私の一生で貴重なものとなりました。(目方を減らしたい方はこの方法をお勧めします…!)
それで私は、創造を大学生に教えたいと思いました。ところが、OCC(お茶の水クリスチャンセンター)で学生伝道の働きが決まったとき、四日市からの手紙がきっかけで、牧師になってしまいました。ですから牧師をしながらこの問題への取り組みは続けて来たわけです。
最近は
もう15年も前になりますが、アメリカのカリフォルニア州のパハロ海岸で、進化論学者が会合を開きました。この人々は進化論の第一線での研究者でしたが、進化論の疑問を話し合っていくうちに、生命はDNAから始まることは分かってきたが、では最初のDNAはどうしたのか・・・ということが話し合われ、最初のDNAは「知的デザイナー」なしには出来得ない、つまり創造主によって生命が造られたという聖書の教えは正しいという結論に達したのです。進化論は、大前提に知的存在を用いてはならない-それは宗教だから、という立場を取っていました。進化論は、主張の大前提を失ったのです。
私の教会教育理念
以上のことを土台として、私の教会教育理念を書いてみます。
1 クラブでなくミッション
仲良し三人組ではなく、使命をもって主のために生きるための教育をする。
2 否定法ではなく肯定的取り組み
たとえば、①君の神は間違いだ→うるせい、お前の神が違う!②あなたは罪人ですよ→なに!というように、相手を否定して感情を逆撫でする伝道ではなく、より真実なものを提供して選べるようにする伝道方法が有効であると思います。
3 相手のニーズに応える
自己主張、自己弁護でなく、相手の必要に応えながら、こちらのことを聞いてもらうのです。(give and takeの方法で)
4 自分の生命のスゴサに感動し、感謝の表現をする
①いのち100%いただき。②環境100%いただき。③生きるために必要なもの100%いただき。④救い主を無償でいただき。全部いただいたものばかりです。私たちのすることはひたすら感謝することです。
5 創造主との断絶と仲介者を伝える
このように①いのちを接点として伝える。②いのちのスゴサを学び、自分で感動しながら伝えることで、発想を転換した上で、ありがとうが一言もない生活に気づいてもらいます。これこそが創造主を断絶していることだと伝えるのです。そして、この断絶を埋める仲介者-キリストに赦していただくのです。
6 罪人という代わりに
失われた人、という言葉を使います。主イエスが「失われた人をたずねて救うために来た」と言われています。失われた者とは、はじめ持っていたすばらしい賜物を失ってしまった人のことです。創造主との関係、その恵み、人間としての価値、生きる目的、永遠のいのちを失いました。しかし、主イエスを信じるとこの失ったもの全部が回復します。そして、全能の主の家族にしていただくバプテスマをすすめます。死後まで続く人生、永遠のいのちを提供する仕事が、クリスチャンの仕事です。それは、奉仕というよりも、感謝の表現です。
7 そのための学びのテキスト
以上のことを学ぶためのテキストを作成し学んできました。以下のものは作成中のものもあります。
①『愛の再検討』(対人関係の克服、主の愛をエネルギー源に)
②『発想の転換を考える』(「生きている」から「生かしていただいている」へ)
③『生活のエネルギー源』(造り主から)
④『いのちありがとう手帳』(one to three book 主の恵みを書き留めておいて証しする、自分の信仰の記録帳にもなる)
⑤『聖書の生物学』(創造から死後まで、いのちのスゴサがわかる、進化論より現実にぴったり)
⑥『聖書の地質学』(ノアの大洪水の実在を調べて、主の怒りと赦しを知る)
⑦『聖書の天文学』(全能の創造主の働き、全能の主は時間も空間も物質も超越しておられる、6日の組み立てと7日目の完成祝い)
⑧『聖書の救済論』(キリストの赦しで100%赦される)
⑨『聖書による人生設計』(救われた者としての感謝を具体的にプランする)
学ぶことで、聖書の基本的なことを身に付け、証しができるようになります。一緒に学ぶことで、恵みが伝わり、伝道にもなります。
8 牧師先生や役員、またはグループ長のために
個人的な学びの他、教会リーダーたちのための学びも用意しています。
①『管理の要点』(マネジメントのテキスト)
②『教会形成の学び(Ⅰ)』(聖書的原則)
③『教会形成の学び(Ⅱ)』(教会をキリストの体として形成するための学び-マネジメント)
④『教会形成の学び(Ⅲ)』(長期計画を作り、実行する。5年後、10年後、15年後、20年まであればスゴイ)
主は用いようとする人に志を立てさせます(ピリピ2:13,14)。志を立てた人を句連枝増す(ヘブル12:5-8,ローマ5:3-4)。祝福は患難を通り越した向こう側にあります。創造を感謝して、一生懸命生かしていただきましょう。
(2008年12月発行 レインボーNo.38掲載)