放課後、毎日、近隣の子どもたちが教会に遊びに来ます。10名前後、多い日は20名近い子どもたちでにぎわっています。始めてから4年がたちました。その間に書き留めた子どもたちの「つぶやき」をご紹介します。

 

教会は憩いの場

4年男子「今日は教会でくつろごうと思って来たんだ。教会は落ち着くから。」

4年女子「先生、放課後タイムは休まない方がいいよ。みんな困るから。」

4年女子「私、教会をあてにしてるんだ。」

6年男子達(道で牧師に出会って)「牧師さん、今日、教会やってる?」

3年女子(来始めて1ヶ月たった頃)「今週は、火も水も木も金も土も日も全部こよっと。」

年長男子(夏休みはどこに出かけるのかの話題に入ってきて)「ぼくはここに来る。」

中2女子達(部活帰りに立ち寄って)「あ、まだあいてた。よかった!」

5年男子(初めて来た日に)「なんか、ここって、いいかも。」

教会のおやつはおいしい

4年男子「教会の麦茶っておいしいんだよね。」

5年女子「あーおいしい!!今日、学校であったいやなことが全部ふっとんだ。」

教会はしゃべり場

6年男子「今日、○○に選ばれたんだよ。」(細かい説明が続く。)

3年女子「お母さん、今度は絶対に連休とるって言ったのに、やっぱりとれなかった。そうなると思ったよ。」

3年女子「私、お父さんとお母さんの名字が違うんだ。」

1年女子「お母さんが、おじいちゃんの看病で実家に行っちゃった。いつ帰ってくるかわからないの。夕べ、おふろでワーワー泣いちゃった。」

3年男子(帰り際にジャンパーを着ながら)「ぼくのお母さん、1ヶ月入院するんだ。手術するんだって。」

6年女子(泣きながら電話で)「先生、今日学校で、すごく悲しい事があったの。これから行くけど聞いてもらえますか。」

みことばへの応答

4年男子(人を押しのけていばるのは罪ですと聞いて)「それは僕のことだ。」

4年女子(お祈りは神様にお話しすることと聞いて数日後)「毎日やってるよ。」

4年男子(初めて十字架の話を聞いた次の日に、どうして罪が赦されるの?と質問したら)「イエス様が十字架でかわりに罰を受けてくれたから。」(みごとな即答にびっくり。)

放課後開放のきっかけ

 駅から徒歩12分の住宅地に建つ教会です。4年前に、古い会堂を建て替えて、新会堂が完成しました。きれいで広くなっても、移転中に離れた子ども達はなかなか戻らず、教会学校の出席人数は20名台から10名台に半減し、半年が過ぎました。ある日曜午後の教師会の学びで、『すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。』というおことば、子どもにも語られていると教えられました。新会堂が子どもの心のオアシスとして用いられるようにと祈ったその時、「こんにちは!」と玄関で元気な声。教会学校に来ている近所の子(5、6年女子2名)が遊びに来たのです。神様がさっそく子ども達を送ってくださったと、驚き喜びました。その後、その子達は週日にも来るようになり、数回、留守の時に来たようで、「ピンポン鳴らしても留守だったよ。先生はいついるの?」と聞かれました。2人とも、いじめにあっていて、日々話したいことがあり、日曜までは待てないのだなあと思い、祈らされました。そして「放課後はいるようにするね。」と答えました。それからは、「先生、お茶しよう!」と毎日来て、台所での紅茶や麦茶のティータイムが始まりました。その日の出来事や悩みなど、おしゃべりは尽きません。やがて「教会で遊べるよ」と口コミで、兄弟姉妹や友達に伝わり、ぞくぞくと子ども達が来るようになりました。4年間で遊びに来た子の名簿は400名を超えました。平均すると、1週間に2名の新来会者です。ある時、学校で「私のおすすめスポット紹介」という宿題があり、多くの子どもが教会を紹介してくれました。

放課後子どもタイムの実際

<日時>週日(月曜は休み)は、市の帰宅チャイムが鳴るまでの数時間。土曜は1時から5時。

<遊び>卓球・トランポリン・読書・マンガ・ピアノ・絵・折り紙・宿題・ゲーム(野球盤・サッカー盤・人生ゲーム・オセロ・ウノ・トランプ・将棋・チェスなど)*ゲーム機や対戦カードゲームは紛失があり、途中から持ち込み禁止。貴重品やお菓子ももってこない約束。

<おやつ>麦茶・おせんべい・キャンディー。季節限定のかき氷(夏)・マシュマロ焼き(冬)は大人気。

<名簿>来たときに記入し、帰るときはチェックをつける。初めて来た子は、カードに住所と電話番号を記入。教会学校案内を渡し、親に見せて、遊びに来る許可をもらうように言う。次回来たとき、親の許可を確認する。

<スタッフ>牧師夫妻が対応している。教会員の方が時々、子ども達の交わりに加わることもある。

4年間を振り返って

 模索しながらの4年間でした。自由に遊べる時と場所を提供するだけで、子ども達は喜んで来ています。友だちをどんどん連れてきます。用意したプログラムも宣伝もありません。子ども達の生活の中の様々な罪(いじわる・仲間はずれ・悪口・乱暴・欲ばり・ルール違反など)が出てきたとき、罪と救いについて教える良いチャンスになります。神様の愛を必ず伝えます。

 日曜日の教会学校には、30~40名が参加しています。皆勤賞・精勤賞のメダル獲得のため、ノンクリスチャンホームの子ども達も驚くほど熱心に励んでいます。5年前、新会堂建設のとき、地域に開かれた場として用いられる会堂にとの教会の祈りがありました。1年後、子ども達が大勢押し寄せてきたとき、教会の皆さんは子ども達を喜んで迎え、子どもとその家族の救いのために背後でいつも祈ってくださっています。「子供たちをわたしのところに来させなさい」(ルカ18章16節)とおっしゃる神様が、子ども達を教会に送り続けてくださっていることを実感しています。去年末に、近くの中学校でも自殺がありました。1人でも多くの子どもが福音を聞き、神様の愛といのちの大切さを知ることができるようにと祈りつつ、この働きを続けさせていただきたいと思っています。

(2007年4月発行No.36掲載)

PDFデータ