2年前の春、本郷台キリスト教会のユースで、「部活」という取り組みが始まりました。「ユースの中のセルとしての位置づけで、交わりや成長の場として、メンバーたちが部長や副部長として、リーダーに立って進めていく小グループ」が部活です。
「今年は受験生だし、ちょうど新しいシステムになるし、あんまり気が乗らないし」と、フェードアウトする気満々だったある女の子のところに、同い年の女の子から1本の電話がありました。「なんちゃって受験部やろう!」こうして、『なんちゃって受験部』がスタートしました。わたしたちの掲げたモットーは「祈り合い、励まし合い、適度な息抜きをしつつ、受験の1年をすてきに過ごす部」です。
受験生生活がはじまると、もちろん適度な息抜きをしつつ、交わりや宿題大会をもっていきました。そのうち、わたしたちは誰が受験生なのかをピックアップして、教会から離れてしまった子にも連絡をとって、名前を挙げて祈ることにしました。試験シーズンになると受験カレンダーもつくりました。カレンダーには、その日、誰が試験を受けるのかが一目見てわかるようになっています。
試験の前日や、試験に一番近い日曜日に、みんなで集まって、その人のためにお祈りするという企画も持つことができました。試験の前にはメールが行き交いました。試験や体調のことから、「電車が人身事故で止まっちゃったからお祈り下さい!」といった内容まで。励まし合い、感謝報告、祈祷課題。試験真っ盛りの冬のシーズンに、「なんちゃってメール」というタイトルのメールが絶えたことはありませんでした。
同じ状況下にある仲間であり、同じ主を知る神の家族とともに受験を戦うことのできる恵み。分かち合うことのできる恵み。祈られていること、祈り合うこと恵みがどんなに大きかったことでしょうか!
一人一人の受験の中に、目に見えて確かに神さまがおられました。その中でも特別な恵みは、高校に入ってからアメリカンフットボールを始めて忙しくなって教会から離れていた男の子が戻されたことと、受験部のメンバーの友達が救われたことです。
具体的な戦いや特有の悩みを抱える受験生という時期。本当に、神さまが働かれるなあと痛感しました。わたしたちの神さまは、わたしたちに最善で最高の人生を用意してくださっていて、わたしたちの歩む道をみことばで照らし、ともに歩んで導いてくださるお方です。誰もが将来のことと向き合う分岐点のそのときに、神さまを知っているということ、神さまに信頼することができることは、特別に大きな喜びです。
受験生というと、他の全てを排除して、じめじめと勉強ばかりに励まなければいけないようなイメージがありますが、そうではなく、受験は神さまがわたしたちに与えてくださる祝福の計画の内に用意しておられるもので、決して不必要なものではありません。むしろ、神さまはその中に、豊かに現れてくださいます。ご自身のご栄光のために、すべてを用いてくださる主の御名をあがめます!
(2008年2月発行No.37掲載)