私たちの教会では,昨年教会学校とアワナクラブのための教育館を献堂しました。
全国の教会から子どもたちの姿が消え、教会学校が休校したままで、何も手立てがされてない教会がいくつもあるそうです。そのような中で、教会のビジョンの第1に教育館建設計画があげられてきたのは、私たちの教会のいままでの成長に教会学校の働きが大きな役割を果たしてきたからです。今そのビジョンが実を結ぼうとしており、主に感謝しています。
1975年ころから私たちの教会は、急激に成長し始めました。その一番の理由は、中学生のために専任の教師を招き、教会学校の強化と高校生伝道に力を注いだからです。その働きにより、中学のクラブや勉強のため教会から離れていく子どもたちに、歯止めがかかるようになり、中学科卒業時に受洗、そして高校生会、青年会へと繋がり、クリスチャンホームも何組か誕生していきました。現在教会を支えている教会員は、そのころ育てられた人々です。
しかしその後、世の中の情勢と同様に教会学校にもバブル崩壊期が訪れました。子どもたちは教会から急激に減少し、子どものための特伝、スポーツクラブなど、いろいろなことを試みましたが、どれも世の中のものには、勝つことができませんでした。このままでは、教会学校がだめになってしまうと、教師だけでなく、教会員全員で祈りました。
そんな情況の中で1990年、アワナクラブを導入しました。
アワナクラブは50数年前にアメリカで教会学校をサポートするために独特のプログラムをもってスタートした働きです。Awanaの名称は第2テモテ2章15節の『熟練した働き人は恥じることがない』(Approved Workmen Are Not Ashamed)の頭文字からとられています。現在は世界に広がり100ヶ国以上でアワナクラブが行われています。
アワナでは、アワナ特製のゲームがあり、何十年と研究を重ねて作られた、子どもたちが、みことばを、よく覚えるためのハンドブックがあり、子どもたちが友だちを誘いやすいクラブです。このアワナを導入して17年になりますが、一番の主からの恵みは、中学生リーダーの誕生です。17年間は、常に順風満帆というわけではありませんでした。中心となるリーダー(アワナの奉仕者)の転居などによる奉仕者の減少など、主は私たちに、いろいろな試練をお与えになりました。しかし、その都度、素晴らしい恵みもいただきました。それが中学生リーダーの誕生です。アワナクラブの目的は、子どもたちや若者に、キリストの福音を伝え、主に仕えるように訓練することです。また同時に、子どもたちを通じてその家族に福音を伝えること、また大人たちを子どもの伝道のために訓練する目的をもっています。大人のリーダーが不足したとき、やむなく卒業する6年生のクラバーをリーダーになってもらうしかなくなりました。しかしそれこそが恵みであったのです。
若いリーダーを訓練するのはとても大変でした。中学生リーダーには、あまり負担を掛けないように配慮し、クラブをクラバーとともに楽しめるようにしながら訓練していきました。具体的には、ゲームリーダー、得点の記録、小さい子の世話などの奉仕に入ってもらいました。そんな中学生リーダーたちは、「ぼくも中学生になったらリーダーになりたい」とクラバーのあこがれになりました。教会学校では、中学科を卒業し受洗している高校生に教師として奉仕をするよう奨めていますが、アワナを始める以前の高校生は、教会学校が訓練の場であり、育てるのに時間がかかりました。しかし、アワナでよく訓練された中学生リーダーは、高校生になるとすぐ教会学校教師として活躍できるようになりました。そればかりでなく、子どもたちとの友達関係ができていて大人の教師にはない奉仕をしてくれます。
献堂した教育館の一階は中学科の礼拝と分級、2階は小学科の礼拝と分級、土曜日はアワナクラブの3つのクラブ(T&T-小学3-6年のクラブ、スパークス-小学1-2年のクラブ、カービーズ-幼稚園生のクラブ)で使用しています。2階の床はアワナでゲームがやり易いようにと、赤・青・緑・黄の4色になっています。またこの教育館から多くの子どもたち、そして中学生奉仕者が育つことを主に願っています。

(2008年2月発行No.37掲載)

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