2013年10/15-18まで、タイのバンコクにて、第4回4/14グローバルサミットが開かれた。(注 4/14グローバルサミットとは、信仰決心者の71%は4歳から14歳までの間に決心するという統計を踏まえ、キッズ・ユース世代へのミニストリーを優先的に考えることを目的とする世界的なカンファレンスである。)全体テーマは「定着させ、遣わす」(Rooted & Released)ということで、世界11の地域、92か国から800人以上の参加者を迎えた。日本からは、援助団体(クラッシュジャパン、サマリタンズパー
ス)、メディア(7Mグループ)、学校教員(明泉学園)、キッズ/ユース伝道従事者、宣教師など幅広い立場から、8人が参加することができた。今回のサミットの目的としては、子どもたち及びユースメンバーを単に宣教の対象としてではなく、宣教のパートナーとしてとらえ直していくという趣旨で実施された。すなわち、
1 子どもたち及びユース世代が奉仕し、リードすることができるように整えること(根を張らせて、定着させる)
2 子どもたち及びユース世代に奉仕、またリードする機会を与え、今の世代において大宣教命令が実現するために、彼らが宣教に加わっていくことの重要性を確認すること(宣教の現場に遣わす)
の2点が焦点として挙げられ、そのために、教会、家族、メディア、神学校、宣教団体、学校等が励ましを受け、整えられ、ネットワークを構築しながら、共に前進することを目的として企画された。このように、子どもたち&ユース世代(4-14世代)がしっかり基礎を身に着けて、宣教のパートナーとして遣わされていくことが、新しい課題(New Mountain)であり、主に備えられた約束の地であるという理念に基づいて、サミット全体が進められた。
1日目の夜は、地域ごとの夕食会が開かれた。日本からの参加者は、東アジアの地域会に出席し、韓国、台湾、中国、香港、マカオ、モンゴルからの参加者と自己紹介し合い、交わりを深めた。2日めの朝は、タイの子どもたちが各国の国旗を手にして、民族衣装を身に着けた各国の代表と共に入場した。続いて、タイのキッズ・ユース世代による賛美チーム、ダンス&劇チームによる伝統的な歌曲の演奏及び演劇が披露された。特に、タイの伝統仏教の固い束縛をやぶり、福音が勝利することを象徴したパントマイムが印象的であった。続く開会講演では、4/14運動の提唱者の一人、ルイス・ブッシュ師が、キッズ・ユース世代を伝道の対象としてだけでなく、宣教を担う中心としてとらえ直していく重要性を訴えた。ブッシュ師は、マタイ28:19-20より、既に与えられている権威を受け取り、神のことばを大胆に伝え、神の国の生き方という理念を持った次世代の弟子を生み出していくことを強調した。イエスに従う弟子から、宣教のパートナー、更に弟子を生み出していくリーダーへと変わっていくことにより、地域全体が変えられていく実例が示された。インドネシアで、2人の8歳の少年が地域の救いのために祈り始め、2人が平和をつくりだす者として用いられ、少年のメッセージによって、地域教会が変わり、地域も変わっていった、という証であった。
続いて、4/14運動の提唱者の一人であるダン・ブリュスター師は、聖書から4/14運動の聖書的基礎となる聖句を紹介した。(使徒2:17、ヨエル2:28、Iサムエル2-3章)神は様々な人々を用いられるが、子どもたちも神の器として用いられるという期待観を大人が持ち続けなければならない、と語った。特に、将来のリーダーとしてではなく、現在のありのままの姿で既に主に用いられていることを強調した。子どもは、大人を通してでなく、直接、神の語りかけを聞くことができる、神は強い者をはずかしめ、弱い者を高く引き上げてくださるお方であると聴衆にチャレンジした。
サミット全体を通じて、単にクリスチャンホームの子どもたちだけでなく、地域へのアウトリーチの必要性、また先進諸国の子どもたちだけでなく、発展途上国、迫害を受けている地域、或いは貧困地域に住む孤児、浮浪児などに対する支援にも、目を向けて行く必要性があることが強調された。また、メディアの立場からも、現代のメディアが大きく変わりつつあるので、次世代へのコミュニケーションのために、あらゆるツールを駆使すべきこと、また現代的・魅力的なツールが必要であることが強調された。さらに、親の立場からは、伝道者、宣教団体スタッフがあまりにもミニストリーに熱心に取り組み過ぎて、自分の子どもたちを軽視してしまい、結果として、PK,MK等が信仰から離れてしまうことのないように、という警告も出された。
3日目は、4/14運動を実際に進めていくための具体的な戦略等についても話し合われた。インドでは、10000人の子どもたちが祈りの家で、今日もサミットを覚えて祈り続けてくださっている証が紹介された。また、失敗を恐れず、過去の実績にとらわれず、新しい視点で新しいミニストリーにチャレンジしていくことの重要性が指摘された。
分科会は、2回にわたり、牧師、家族、メディア、神学教育、宣教師、学校関係者、教会キッズ&ユースミニストリー、孤児支援の8つの分科会に分かれ、それぞれが最も関心のある分野について、ディスカッション、Q&Aセッションなどが持たれた。講師の著書や参加者の資料なども無料で提供され、具体的なミニストリーのアイディアや情報等をかかえきれないほど受け取ることができた。
最終日の朝、4/14運動の提唱者、ルイス・ブッシュ師、キム ナム・スー師、及び東アジア地域代表のジョン・ハー師を囲んで、日本からの参加者と共に朝食会が開かれた。日本でも4/14運動を協力して進めていきたいというビジョンが掲げられ、2014年に日本で4/14カンファレンスを開催する方向で進めて行こうと参加者が一致して祈った。早速、11/22に日本のカンファレンスのための『しもべ』準備委員会を開催することを約束した。
最後に、再び11の地域ごとに集まり、それぞれの国ごとの短期的目標、中長期的なビジョンについても分かち合った。閉会礼拝においてキム ナム・スー師は、「4/14世代へのミニストリーはオプションではなく、最優先されるべきものである。4/14世代が失われると次世代の教会が消滅してしまうという危機感を持って祈り、大いなることを神に期待していこう」とチャレンジのメッセ―ジでサミットを締めくくった。
4日間を通し、神学的にも宣教学的にも、理解を深めさせていただき、4/14運動のネットワークが既に世界中に広がっている具体的な姿を見せていただき、大きなビジョンを与えられ、ことばに尽きせない感動と喜びに満たされて帰国することができた。また、教会に与えられている次世代へのミニストリーの重さを改めて実感し、具体的なチャレンジもいただいた。心からの感謝と栄光を主にささげつつ。
(2014年1月NO44掲載)

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