私はOneHopeという宣教団体の日本での代表をしております。OneHopeの使命は、次世代に聖書を伝えることです。この目的を果たすために主に仕えている中で、自然とメディアの可能性について模索するようになりました。メディアの使われ方は常に変わっており、次世代に宣教するためには学び続け、変わり続けることが求められています。
スマホの登場により、インターネットがさらに活用されるようになりました。インターネットの普及によって、好きな情報を手に入れることができました。そして、スマホの普及によって、その情報をいつでも、どこでも手に入れられるようになりました。今は情報に限らず、コミュニケーション、ゲーム、買い物などもできます。
危険性
インターネットとスマホを使うときの注意点はおもにインターネットへの依存性と有害サイトです。インターネットへの依存はこどもたちだけではなく、大人にとっても問題です。厚生労働省研究班が2013年に実施した調査によると、日本でネット依存の傾向がある人は約421万人と推計されています。また、中高生では51万8千人もいると推計されています。インターネットは便利なものでありながら、依存性が高いことが分かります。
また、有害サイトも懸念すべきです。特にポルノは若者の間で蔓延している問題です。多くの男子は小学校高学年から中学生の時から見ているとのことです。ポルノは依存性が高く、霊的に、精神的に、そして社会的に若者を壊してしまいます。子どもと青年たちはポルノの危険について、学校からも、親からも、教会からも十分に指導を受けないまま育っています。話しにくい話題ですが、誰かが責任を取る必要があります。
インターネットとスマホにはこの様な懸念がありますが、私たちはインターネットとスマホと共に生きることを学ばなくてはいけません。次世代にとってインターネットは当たり前のものになっていて、社会の中で生きるためには必要不可欠です。そのため、インターネットを回避するのではなく、しっかり注意して付き合うことが大事になります。依存性の問題に関してはこどもたちにしっかり時間制限をしましょう。またインターネットを使いすぎることで社交性を失いやすいので、こどもたちが親や、友達としっかり交流を持つような機会を作りましょう。また有害サイトに関してはフィルターや、ブロックなど技術的な注意方法もありますが、こどもに有害サイトの危険を話し、自ら見極めて、回避することを教えることが一番大事です。
活用法
それでは、インターネットとスマホの良い活用法はどんなものでしょうか?いつでも、どこでも、好きな情報を手にいれられるこのツールを御国のために使えるでしょうか?求道者がインターネットを通して近所の教会を簡単に見つけることができるかもしれません。遠い国での迫害や災害の情報を日本の教会がすぐ受信して祈り、支援することができるかもしれません。可能性は無限大にあり、これについてはクリスチャン一人ひとりが祈り考えるべきです。
OneHopeでは2013年にこども聖書アプリというものを作りました。小学校低学年のこどもたちが聖書を学ぶことができるように作られたアプリです。2015年9月時点では世界のほとんどの国で700万回ダウンロードされています。今まで宣教師も送りにくかった国でも、インターネットを経由してこのアプリがダウンロードされ、その国でこどもたちが聖書を学んでいます。このアプリの発表を通してメディアを使った新しい可能性を感じました。
今の日本の教会にとって、アプリのような最先端テクノロジー以上にウェブサイトや、ブログなどの基本的なテクノロジーの普及がより重要と考えています。教会がウェブサイトを持っていなければ、もし求道者が情報を調べようとしても、見つからなくて諦めてしまうかもしれません。簡単なものでいいので、次世代に伝道するためには、教会がウェブサイトを持つことが望ましいです。ブログは、幅広い使い方ができますが、次世代に宣教するためには特別、特有な意見と体験を書くことが良いです。レストランの評判や、人間関係でのトラブルの対処法や、病気かもしれない時に同じ症状の人の体験を求めて人はブログを調べる人が多いです。若者が興味を持つことで、クリスチャンとして、私たちが届けられる意見や体験はなんでしょう。
新しいメディアはこれからも次々と現れるでしょう。私たちが真剣に次世代に宣教するためには、すでに常識になっているメディアにしっかり対応することと新しく普及しているメディアについて勉強し、その危険と良い使い方について祈っていくことが大事でしょう。
(2016年2月掲載)