<わたしは誰?>
私は22歳の時、世田谷中央教会で副牧師をしていた主人と結婚し、神様から3男2女を授かりました。年子4人と数年あいて5番目といった目の回るような毎日でしたが、教会の奉仕と子育てを結構楽しんできました。喜怒哀楽には事欠かぬ20代から40代を過ごしました。

<ことのはじまり>
子どもも成長してきた今から13年前のこと。教会内外を問わず多くの人たちは「ホットできる場所」を必要としているかもしれない・・・と思わされました。さっそく「いつでもウェルカム どなたでもご自由にお立ち寄りください 世田谷中央教会」と教会の入り口に立て看板を出しました。そして、毎週木曜日10時30分から6時まで、年中無休で教会をオープンにしました。初年度は70名の方に、ギデオンの聖書を渡せたほどの出会いをもらいました。
それから10年が経った時のこと。教会の外の世界では、痛ましい事件が後を絶たず心がささくれ立った緊迫感に押しつぶされそうだと感じる毎日を送っていました。このまま教会の中で待っているだけでは駄目かもしれない、と強く思わされたのです。

<祈りが与えられた>
「この奉仕に広がりを与えてください。今、神様の愛と助けを必要としている方々に出会わせてください。」と祈りはじめました。すると主は驚くほど早く祈りに応えて下さったのです。隣町にある幼稚園の母親相手にボランティアを始めることになったのです。

<はじめの一歩>
そもそも私と「こどもの園幼稚園」との関わるきっかけを作ってくれたのは夫です。キリスト教を基盤とした保育を奨めているこの幼稚園では、毎年3回母親向けの講演会を行なっています。20年前から夫はお話をさせていただいております。3年前にわたしは初めて幼稚園についていきました。講演会後の質疑応答の時間に不思議なことが起こりました。なんと妻であるわたしに質問が寄せられ、率直な意見を聞かせて欲しいと求められたのでした。家に帰ってから3カ月祈った後、勇気を出して園長先生に電話をかけたのです。

<何をしているの?>
毎週火曜日の9時から10時30分まで母親向けのライブラリーの時間に合わせて、一緒に時間を過ごしています。園長先生に「けいこのへや」と名付けて頂き親しんで頂いています。その場所でのことを一言で言うならば・・・ただにこにこと微笑みながら同じ時間に同じ場所にいて、お母様方の存在を愛おしく思いながら座っているだけなのです。「あのー何々と申しますが、ちょっとお時間をいただけますか?」「はい。喜んで・・・」横に座られた時「一言私の信じている神様に祈ってから、何々さんのお心に寄り添わせていただいてもよろしいですか?」でゆっくりと出会いが始まります。
その時間は殆どお話を聴かせて頂き、最後に、一生懸命頑張って母と妻と嫁をしておられる労に対して「あなたはなんて素敵な方でしょう!神様はすべてのことを用いて最善をなしてくださる御方ですから神様と、子どもの将来と成長を信じて、一緒に祈っていきましょうね。」と手をとって励ましのことばと、思い(あなたはかけがえのない神様に愛されている大切な存在だということ)を伝えます。

<教会に神様の奇跡が起こった>
教会では幼小中学のCS礼拝を二部制でもっています。その当時、9時からの第一幼小CSに子どもが一人の時もあり4,5人しか集まらない危機的な状態を迎えていました。閉鎖の声もあがっていた時でした。幼稚園のリーダー的な存在のお母様が教会に関心と信頼をもってくれたことが助けとなり、口コミで毎週のように新しい親子がCSに来てくれるようになりました。あっという間に10人、20人と増えていき、多い時には30人の子どもたちと12,3人のお母様方と一緒に礼拝をささげるまでに祝福してくださいました。喜びの悲鳴をあげて神様に感謝しています。
3年前からお母さんパワーをお借りして、CSと協力体制でイベントを企画すれば、70―80名の新来会者が与えられ、教会が地域の広場のようになっています。

<子育ての広場が始まった>
昨年の6月からは火曜日の「けいこのへや」だけでは足らず、毎週木曜日の11時から2時まで「子育ての広場」が始まりました。幼稚園と違って教会でもたれるので、いらした方は全員聖書とテキスト「あなたの魅力を引き出す秘訣」と「あなたの魅力を生かすには」の2冊を持って席に着きます。驚くことに自然にそうなったのです!(先日レギュラーで参加なさっている数人の方がバイブルミニを買われ、家でも読んでいるとのことです。)みことばから教えを頂いた後、集まったメンバーでいろんなことを自由にシェアーし合い親子でランチを取った後半も、子どもたちが遊ぶ横で今日気づいたことなどを思いっきり語り合います。

<神様はこんなところを見せて働いてくださった>
初めから温かい優しいまなざしとお心で、教会とお母様方のパイプ役をかってくださっている卒園児の婦人からこのようなことばを最近になって頂きました。
「啓子先生と出会って3カ月目に一泊キャンプをした時のこと。退所前の掃除で啓子先生は一人汚れたトイレをしゃがんで一生懸命雑巾で拭いていたのを見たんです。スカウトのリーダーの自分でもここまでは出来ない・・・この先生が信じている神様を信じてみたいと思ったんです。」と心の内を教えてくれました。先月から第四礼拝に来られています。

<最後に思うこと>
主は今何をなさろうとしてキリスト者の名を呼び御語りくださっているのかを敏感にキャッチし、素直にお従いしたいと願い祈らされております。若い世代のCS教師の成長と霊性のために祈りをもって応援し役に立つ器に整えて頂きたいと切に祈っています。

(2010年2月発行No.39掲載)

PDFデータ